板絵着色遅ノ井伝説図
(いたえちゃくしょくおそのいでんせつず)
-杉並区指定文化財- |
天保十一年(1840)に上井草村の本橋氏が奉納したもの。
その昔、源頼朝公は二十八万四千の大軍を率いて奥州藤原氏征伐に向かい、途中にこの地に立ち寄られました。折悪しくも旱魃のため将兵の飲水に困り、源頼朝公自ら弓の本筈で地面に穴を穿ち、水を求め、七度目でようやく水が湧き出しましたが、水の出があまりに遅かったので「遅の井」と名付けたと言われています。この井水が善福寺池の源泉となり、当地を遅野井と呼ぶようになったと伝えられており、当社も古地名を冠し遅野井八幡宮と言われておりました。
頼朝公の恩徳を称え、伝説にあやかって水の恩恵を受け、豊作を祈願する農民の心情がこの板絵の奉納になったと考えられます。 |
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板絵着色榛名山社頭図
(いたえちゃくしょくはるなさんしゃとうず)
-杉並区指定文化財- |
群馬県榛名山を信仰する井草村の人々が文政十二年(1829)に奉納したもの。160×121cmの大画面に当時の榛名神社の社殿や参拝者の姿が力強い筆勢で描かれています。江戸期の信仰形態や風俗習慣を知るうえで貴重な資料です。 |
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